企業の理念にもとづいて組織の力を結集する “理念経営”
― 市場環境が変化しても、勝ち残る企業・成長力ある強い企業をつくるコツとは

理念経営をするとなぜ『儲かる』会社になるのか?

実際のコンサルティングの場で唐突に経営理念という言葉を持ち出すと、「そんなきれいごと、まず経営状態が順調になってからでいい」「大事だということは分かっているが、それでどうすれば利益が上がるのかを教えてくれ」という声を多く耳にします。しかしながら「経営の原理原則」として間違いなく最初に挙げなければならないテーマは、企業の「経営理念」です。
なぜなら、経営理念を作成し、それを社内外に浸透させることは、実は「儲け」につながるからです。“儲”という字は“信”ずる“者”ということになります。つまり、経営理念を「信ずる者」は「儲けられる人」でもあるということです。

では、なぜ経営理念を「信ずる者」は「儲けられる人」になるのでしょうか。

その理由は端的に5つに集約されます。

理念経営はなぜ儲かるのか

多様化時代の求心力

どんな企業でも多様な個性や価値観、キャリアを持った人々が集って仕事をしている。しかしながら、多様な価値観を持つ人々が組織内での共通の価値観や共有軸を持たずに自由に仕事をした場合、時間経過と共に組織内に対立と分裂が発生していきやすい。理念不在の組織では、多様な個性やキャリアが相乗効果を生み出すのではなく、組織そのものを空中分解させてしてしまう危険性がある。反対に理念が存在することで経営のブレを防止することができる。ブレの防止は仕事の生産性の向上につながり、ひいては業績の向上をもたらす。

社員の誇りと自信

日本国内には創業100年を超える百年企業が約2万社以上存在している。しかも、200年以上存続する世界中の長寿企業の4割が日本に集中している。その企業群を分析すると、一つの共通項が存在している。それは「経営理念」があるということ。理念の中身とは、使命感と価値観で構成される経営哲学になる。わが社はこんな理念を以って社会に貢献しているのだということを、家族や友人に胸を張って言えたなら、社員のモチベーションは高まる。特に、経営者や社員が判断に迷ったときに立ち戻るものとして、利害の対立や判断の基準に迷いが生じたときの規範となる。

ステークホルダーからの信頼と尊敬

「あの会社はきちんとした理念を持っている」「組織に魂が入っている」ということになれば、ステークホルダーからの信頼と尊敬を受けることにつながる。ステークホルダーからの信頼と尊敬、それ以上に重要な経営資源はあり得ない。

優れた人材を確保しやすくなる

優れた理念がある会社には、優れた人が集まってくる。良い企業理念は、良い人材を引き付ける磁石のような効果を発揮する。

業績が向上する

以前、20年間にわたり、日本で行われた経常利益率と経営理念の有無について行われた「調査」では、理念のない企業の経常利益額は20年間で3.6倍であったのに対し、理念のある企業は7.8倍になっていた。また、経常利益率に関しては、理念のない企業の2.16%に対し、理念のある企業は8.07%と実に約4倍の差を生んでいる。

つまり、経営理念づくりとその浸透は、結果として〝儲け〟につながっているということです。

なぜそのような目に見える結果となって出てくるのでしょうか。

その理由は単純です。「人は、大きなことを信じた時に大きな仕事をする」、という唯一の生き物だからです。

これは、売上や利益を上げるという目標など必要ない、また小さなことだと言っているのではありません。もちろん、それらも非常に重要なことです。しかしながら、自分の会社がゆくゆくどういう会社になりたいのかという夢や理想、社会の公器として誰のためにどう役に立つのかという使命感、こういう哲学的なものの考え方があると、単なる短期的な利益追求に走りがちな企業と比べて、社員ははるかに大きな仕事をするということなのです。

ただし、「企業には経営理念が重要だ」「わが信条が大切だ」、と社長が何回唱えたところで、社員は動いてはくれません。社員に努力しろと言ったところで、頑張っている社員は黙っていても頑張っているし、努力しない社員は変わらずに頑張らないのと同じです。大事なことは、なぜ理念の徹底・浸透が必要なのかということを、社員に腹落ちさせ分からせることなのです。

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