- 経営理念を唱和しているものの、行動指針の具体的な意味を語れる社員はいない…
- 「行動指針なんて意味が無い」という声が幹部から出はじめた…
- 社員のモチベーションがいっこうに向上しない…
- 行動指針に反するような行動を社員が繰り返す…
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経営理念の構築・浸透施策3
経営理念と一貫性のある人事施策を行う!
- 20周年を機に、第二創業期として新たな会社づくりに着手。
- その一環としてコンサルティング会社に依頼し、理念に基づく5つの行動指針(5ウェイズ)を定めることを決意。
- 上記と合わせて、複数のコンサルティング会社とともに、目標管理を中心とする評価・賃金制度の導入や、階層別の教育研修等を実施することにしたのだが…
C社が複数のコンサルティング会社と共同して行った取り組み
- 経営理念に基づき、大切にしたい5つの要素をキーワード化し、行動指針に
- 行動指針を書いたカードを社員に配布し、さらに会社パンフレットにも記載
- 毎朝全員が理念と行動指針を唱和
- 目標管理制度を中心とした人事評価・賃金制度を導入
- 階層別に合宿形式の教育研修を実施
- 経営者の号令のもと、会社の年度計画策定や定例会議など全ての会議で理念の唱和を実施
しかし
ここまで実施しても社員の行動が変化しない!
弊社コンサルタントにご相談
経営理念が浸透しなかった原因が判明
「理念や行動指針と人事制度、教育研修が連動していないことにあった!」
行動指針に書かれていることと、社員が評価され、給与アップにつながることが真逆だった
原因
行動指針には、「中期的成長に向けて新しいことにチャレンジすること」や、「社員同士が協力し合うことの重要性」が書かれていた。しかし、処遇に反映される人事評価のしくみには、個人の数値実績の達成度が重視されており、行動指針と大きく食い違っていた。
その結果、ほとんどの社員が昇給や昇格のために、短期的な個人目標を達成することを優先し、長期的な視野を持って新たなことにチャレンジしなくなっていた。さらに、他の社員への協力や若手の育成等に時間を割かなくなるという行動指針と真逆の現象が起こり始めた。
また、定期的に研修が実施されていたが、そのテーマは「ビジネスマナー研修」や「リーダーシップ研修」など、日頃の業務、人事評価と直結する内容ではなかった。その結果、個人目標の達成を重視する社員達からは、「業務の時間が取れなくなるので止めて欲しい」との不満が出るようになった。
以上から、理念と行動指針を旗印に会社を新たなステージへと成長させるはずが、社員はしらけ、個人主義に走り、離職率が高まった。
このケースの解決策
経営理念と人事評価制度を連動させる
経営理念、人事制度、社員教育研修は、一貫性がなければ意味がありません
- 経営理念を、社員がイメージできる具体的な言葉(行動指針)にブレイクダウン
- ブレイクダウンした行動指針を、人事評価の基準に設定
- 以上により、業績や成果の評価だけでなく、経営理念の推進度合いを評価することができる多面的な評価制度へと変更
- 経営理念推進行動を評価した結果を給与や昇進・昇格に反映
- 経営理念推進行動の評価と連動した教育研修プログラムを設定し、経営理念の理解度・実践度が高まるよう、研修を実施
この改善策により
- 行動指針の内容が理解され、それらが評価・給与につながることで、社員の意欲が高まり、実践されるようになった
- 「こんなことをやっても意味がない」とバカにしていた社員がいなくなり、理念や行動指針を大切にする組織風土が実現した
<C社に学ぶ、理念経営のポイント解説>
中小企業が陥りがちな「理念経営」の失敗パターン(3)
80%以上の会社において、理念と人事評価の内容がずれている!
- (1)理念や行動指針と人事評価の内容がずれていれば、社員は自らが評価される行動のほうを選択します。
- (2)朝礼で唱和をすればするほどに、「言っているだけで、実際にはそんなことをしても評価されないではないか」と社員の不信感が高まることとなります。
- (3)コンサルティング会社などと取り組む場合は、理念、人事制度、教育研修、採用等が一貫したものになるように十分注意しなければいけません。