企業の理念にもとづいて組織の力を結集する “理念経営”
― 市場環境が変化しても、勝ち残る企業・成長力ある強い企業をつくるコツとは

経営理念の構築・浸透施策 2

理念を推進していくためにはマネジメント構造の設計がカギ!「方針管理」という手法

【B社 物流(社員数500名)のケース】

  • 大手自動車メーカー関連会社として、グループの成果に貢献する為、目標管理の実践に着手したが、結局、失敗。なぜか社員は相互に協力しなくなり、難題にも挑戦しなくなった…
  • そこで、新しくメーカーから出向してきた経営者が本体で行っている理念経営実践を推進していくことを決意
  • コンサルティング会社に依頼し、理念と連動した計画による目標管理制度の運用に着手したのだが・・・

B社があるコンサルティング会社と行った取り組み

  1. 風土改革のために、本体メーカーに準拠した経営理念の再構築を実施
  2. 経営理念の段階的実現を図り、新たな中期経営計画を策定
  3. 中期経営計画の確実な遂行のための単年度計画を入念に策定
  4. 単年度計画実現にあたっては、個人目標を廃止し、チーム目標に変更
  5. 上司を対象に目標設定面談やフィードバック面談の評価者研修を実施
  6. 目標の達成度を評価へ正確に反映できる人事制度を構築

しかし

ここまで実施しても社員の行動が変化しない!

  • 経営理念実現を図るため、急激な改革ではなく、スローランディング的観点での成長戦略として中期経営計画を策定し実行し、成果主義に偏りすぎない新目標管理制度に変更したが一向に成果が出ない…
  • 上司の評価眼は上がっているハズなのに、顧客に向いていた部下の目が上司にしか向かわなくなってしまった…
  • 社内に渦巻く不満を鎮めるために、目標管理制度運用研修を重ねて実施するも理念の実践が行われないまま売上利益ともに悪化していった…

弊社コンサルタントにご相談

経営理念が浸透しなかった原因が判明
「理念が浸透しない最大の原因は、目標管理というマネジメント手法にあった!」

経営理念の実践が、企業の “儲け(利益)” を生むが、目標管理によるマネジメントでは、真逆のことが起こってしまう

原因

運用の難しさが指摘され続けている目標管理制度。
仕組み上は、各社員が年度初めに上司と話し合って業務目標を定め、その達成度合いを年度末などに、「SA、A、B、C、D」の5段階といった具合に査定する。その結果評価を給与・ボーナスに反映させ、社員同士の給料に差をつけるシステムになっている。
しかし、評価される社員側からは、「目標を3つ出す決まりだが、3つ以外の仕事は評価されないと思うと力が入らない」「チームメンバーでA評価がついているメンバーがいて、自分も同じA評価がつくはずなのに、なぜか最終評価がBで腹が立つ」 という不満の声が絶えない…。

評価をする管理職側からも、部下とのコミュニケーションについて「目標設定や評価について面接を何度もして、部下に納得する説明をしなければならない。あまりに手間がかかりすぎて面倒このうえない」と嘆きの声が出る始末…。

以上から、本来は顧客に対応すべき案件があるのに、『成果』を示すための仕事を優先しなければならない。そうした不本意な仕事をするくらいならばと、経営理念の実現のために導入した制度の結果、社員は疲れ果て、愛社精神も低下し、離職率が高まった特に若手、中堅の優秀な人材の離職率が増加した。

このケースの解決策

単なる『目標管理』ではなく、経営理念浸透のための『方針管理』手法を実践する

『方針管理』 とは

  • 年度ごとの各組織(全社、工場・本部、部、課、係)の「対策」をコミットしたもの
  • これまでに行ったことのない内容であり、挑戦的な革新(イノベーション)的なものである必要がある
  • 『方針管理』は1年を通してPDCASを実現し、翌年には『日常管理』へと形を変え、毎年新たな方針が設定される

『日常管理』 とは

  • 日常的に実施されなければならない業務についてPDCAの管理サイクルをまわすことにより、職場の目標を効率的に達成できるように維持、改善する活動のこと

  • 会社のビジョンを中長期構想、年度方針さらにメンバーの実行計画へとブレークダウンし、目標の達成に向けてトップからメンバーまで全員で、必要な変革やカイゼンを計画的・組織的に推進
  • 年度の各組織の「対策」をコミットし、全社最適の視点で方針達成のためにPDCASを実施。このときのポイントとして、管理者のPDCASを回すことでメンバーがPDCASを回せるしくみを導入

この改善策により

  • 経営理念に基づいた『方針管理』手法の実施により、現場一人ひとりの社員が、理念をブレイクダウンした職場の方針・目標を達成させる風土が形成された

<B社に学ぶ、理念経営のポイント解説>

中小企業が陥りがちな「理念経営」の失敗パターン(2)
単なる目標管理制度のフレームで理念推進を行い形骸化しているケースが多い!

  • (1)目標管理では数字目標が上から提示され、その数字をどう達成するのかだけが下位階からの積み上げに依存されます。その結果、名目目標が横行し、目標達成どころか部下の疲弊感による不平不満だけが残ることになってしまいます。
  • (2)方針管理では、社員の動機づけと会社の新たな成長軸を創ることを目的としており、数字目標は、日常管理により管理していきます。ちなみに、方針管理と日常管理の関係は、方針管理で取組んだ業務のPDCAがうまく回り、「標準化(S)」されると、日常管理化され、定常業務となります。その後、日常管理では、標準化された仕事の仕方が最適なものとなるよう日々改善活動を繰返し、徐々に向上させていくことで目標数字の実現を達成していきます。

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